テキサス・インスツルメンツ

ホールドアップ時間およびホールドアップ・コンデンサ・カリキュレータ

用途:

このツールは、入力電力が供給されない間、システムがフル動作の維持に必要な、ホールドアップ・コンデンサ容量の計算をします。計算にはシステムの入力電圧と出力電力が使用され、コンデンサの許容差、システムの DC/DC コンバータの効率、および UVLO が考慮に入れられます。このツールは、容量の計算だけでなく、ユーザーが特定の容量値を指定した場合に、上記の他のシステム・パラメータを求める際にも使用できます。

ツールの使用方法:

まず、各リスト・フィールドから求めたい内容を選択する必要があります。この選択内容に応じて、これらのフィールドは入力フィールド(黄色)または結果フィールド(灰色)としてマークされます。入力フィールドに割り当てられたリスト・ボックスを使用すると、入力フィールドの単位を変更することができます。ツールの一部の入力フィールドに使用されるデフォルト値は、青色の太字で表示されます。ユーザーはデフォルト値に上書きをすることができます。

コンデンサの許容差には、正の値を入力する必要があります。このツールは最悪の条件を計算し、正の値を負の許容差として扱います。

入力フィールドに有効な値が入力されると、ツールはすぐに結果を計算します。

ユーザーによって「ホールドアップ容量(Hold-up Capacitor)」の計算が選択された場合、ツールは容量の必要最小値を計算し、コンデンサの E12 系列より適当な値を提示します。この提示される容量値は、必要最小値よりも大きい次の E12 シリーズの値です。次の E12 値が必要最小値よりも小さい場合は、必要ホールドアップ時間の 95% 以上のホールドアップ時間が達成されれば、この小さな E12 値が提示されます。どちらの場合も、ホールドアップ容量フィールドの下にある “+” または “-“ のボタンをクリックするだけで、使用する E12 シリーズの容量の値をステップ・バイ・ステップで増減できます。さらに、E12 以外の値を使用して、これらのフィールドの値を完全に上書きすることができます。

使用される数式:

計算には、以下に示す基本的な式が使用されます。

パラメータは以下のとおりです。

Cホールドアップ・コンデンサ容量です。
ηDC/DC コンバータの効率です。
VIN入力電圧です。これは、通常の動作時におけるコンデンサの電圧と同じです。
VUVLO-OFFDC/DC コンバータの低電圧ロックアウト・レベルです。VIN が供給されない場合、DC/DC コンバータは、コンデンサの電圧が VUVLO-OFF に到達するまで、ホールドアップ・コンデンサを放電します。
POUTDC/DC コンバータから負荷に供給される電力です。
THold-UpVIN が供給されない場合に、DC/DC コンバータが指定された POUT を供給できる時間です。
TOLこのコンデンサの初期の温度およびエージングの許容差です(許容差を指定する場合は、正の値のみを使用してください)。

参照:

Juergen Schneider 著『How to use TI's Set of Power Rulers』テキサス・インスツルメンツ・アプリケーション・レポート(SLVA278) – 2007 年 9 月